2018年1月30日火曜日

新年一発目の映画が『デトロイト』だったのですが・・・【ネタバレ有り】



引越しでばたばたしていたのもあって、やっと今年の劇場初めをして来れました。

見た作品は『デトロイト』なんですけど、これがまあ新年早々ヘヴィーなもので・・・

ある程度覚悟して見たのですが、あおり文句のひとつである40分強のホテルでの尋問・拷問シーン。



「死のゲーム」というのは、自白する者が出なければ、順番に部屋に連れて行かれ射殺される(フリ)という過程を、白人警官演じるウィル・ポールターが悦に浸りながら続けていくというもの。
こうして実際は殺さず、怯える黒人を見てへらへらしているシーンが40分も続きます。(冒頭で既に逃げ出した一人を射殺、またホテルから逃げ出した男も射殺してるけど・・・ちなみに発砲は禁止と上から命令が出てるのに業務態度悪すぎる・・・)

ところが、バカがつく程真面目なデメンズ(ジャック・レイナー、『シング・ストリート』のロン毛の兄貴)に、「お前もやれよw」と誘ったら、ガチで射殺してしまい、事態は最悪の展開に・・・

この件を口外しないと約束できた奴は逃がし、できない奴は射殺し(一人)、スタコラサッサと逃げる白人警官たち。(因みに射殺の件は、全部正当防衛を自作自演してごまかしてます)

しかしすぐに白人警官の失態は本部にも知れ渡り、尋問にかけられるウィル・ポールター含めた3人。
ここでもデメンズが馬鹿真面目を炸裂してくれたおかげで、めでたく3人は逮捕。
ところがどっこい、裁判では3人とも無罪が言い渡され、黒人は完敗してしまうという、なんとも後味の悪い結末=これが現代のアメリカでも起きているという恐怖をまざまざと見せ付けられるのです。




さらに、主演となっているジョン・ボイエガー演じる、ディスミュークスは現場に居合わせたことも有り、白人警官の凶行を暴く重要な役・・・のように見えますが、実際は現場に居合わせ、ウィル・ポールターの持つ銃と同じ経口のものを所持していたせいで、まんまと全ての濡れ衣を着せられ、ブタ箱にぶち込まれます。

裁判で無罪が出たとき、外に飛び出してゲロはいてたシーンは目を覆いたくなります・・・こここまで勝てないとは・・・(ただ、ディスミュークス確か裁判後釈放されたはず・・・)



他にも事件にあった黒人の一人は、クラブで活動するシンガーとしてデビューを目指しいたのに、白人相手に歌を歌えない、同じグループの仲間が射殺された、クラブには警官がいるという理由から、才能を持っているのに聖歌隊で今もひっそりと歌を歌っているという実態。

いやはや私は政治とかそういうのちちんぷいぷいなのですが、いくらなんでもこれはやべえ。

それでも監督は、あの悲惨な現場にいるかのような臨場感を徹底して演出しているので、その狂気的現場を体感したいだけでも、充分劇場で見る価値はあります!

これを見た人のほぼ全員はウィル・ポールターのこと嫌いになりそうですが、彼も演じる際、何度も拷問シーンをテイクするので、辛すぎて泣いてしまったとか。責められねえ・・・


しかし一発目からきついのを引きました・・・
明るい映画が見たいですね。3月に上映される『ハッピー・エンド』なんか、楽しそうなタイトルですね。是非見たいと思います。


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