2018年4月9日月曜日

映画館ではこうやって作品を宣伝する!館内装飾やチラシはどうしてる?

先日公開した映写業務のあれこれ。大変多くの方に読まれ、細々とやっている(記事投稿して30アクセス程度)このブログで、なんと1日100アクセスを超えました。ごいすー!

この波に乗らねばといわんばかりに、当初映写業務より先に担当に振り分けられていた宣伝業務のことも書いてみようと思います。
ぶっちゃけ、映写業務よりインパクト低めです・・・

チラシやポスターを発注しよう!

とにもかくにも、まずはこれが無いと何もできません。
チラシには2種類あり、ティザービジュアルと、本ビジュアルがあります。
後に出たほうが基本的に本ビジュアルです。

ティザービジュアルは、まだ公に作品情報があまり明らかになっていない状態から出すことが多いので、キャストが写っていなかったりとシンプルなものが多いです。
中には本ビジュアルしか出さない作品や、これでもかというくらい4パターンある。と言ったものも。

最近の作品では、『ハッピーエンド』だと、スマホの画面デザインはティザー(これよく考えたら海外版のビジュアル・・・)、一家が写っているのが本ビジュです。(ただこのティザー、よく見るとチラシのサイズ自体スマホ画格にあわせるという、少し特殊な仕様になっています)

いくつもタイプを出す場合は、お客さんが持って帰りたくなるような工夫をしています。
『二重生活(ロウ・イエ監督じゃないほう)』は、キャスト別で4タイプありましたが、圧倒的管田くんのハケっぷりよ。

若さ弾ける女性たちが、ぽっと頬を桃色に染めながら、「管田くんのチラシってまだ残ってますか・・・?」と訪ねてきました。
私「もうリリー・フランキーのしか残ってないっすね・・・すんません」
皆、一様に肩を落として劇場を後にしていきました。
彼女らとリリー・フランキーがいたたまれません・・・

最近では『エヴォリューション』がゴリゴリのチラシ戦法を行っており、ティザー5種類くらい、前売りを買うとさらに数種類&海外版ポスター、来場者プレゼントでチラシってどんだけチラシばら撒くのコレ。

オシャな映画ほど、チラシも凝ったものが多いです大体グザヴィエ・ドランさんはオシャの代名詞みたいな感じなので、新作が出ると毎度発注が面倒くさかったです大変です。
正方形とかチラシラックに入りにくいんですよ・・・

肝心の発注方法は、ファックスで必要分発注すると届く仕組みです
チラシがなくなれば追加発注をかけますが、時々数を見誤って、倉庫の肥やしにすることもありました。ごめんな『王様のためのホログラム』・・・


プレスを見て情報を収集しよう!

プレスとは、公開前の作品を紹介するパンフレットのようなものです。
時々DVDの特典として、サイズを変えて付いて来る事もあります。

簡易版パンフなので、市販されているパンフレットは、プレスに更なるレビューやコラムが載ったものと思ってもらって差し支えないです。(なんならプレスと同じものをパンフレットとして販売する配給も大きな声で言えませんが、たぶん『グッド・タイ○』はそのケース

このプレスは劇場内であれば自由に使えるので、こいつを切って拡大して、場内に掲載していました。

因みに私は文章で紹介するのは好きですが、装飾に関してはセンスが壊滅的だったため、だんだん苦痛になっていきました・・・
かつ私の前任者が、作品の装飾コンテストでグランプリを受賞した経歴を持つ、ずば抜けたセンスの持ち主過ぎゆえ、心がめきめきに折れたというのも有りますが・・・仕事って大変です・・・私は逃げるように映写とブログ更新に傾倒していくのでありました。

ブログを更新しよう!

当時、ブログ担当も前任者が居たのですが、彼もまた逃げるように映写業務にのめりこみ、全く更新がされていない状態でした。

基本毎日更新を命ぜられた私は、作品紹介をはじめ、インフォメーション、イベントレポート、物販、売店の紹介など、ありとあらゆる事を書きました。

以前、元アイドルで映画好きの方を招いてトークショーをしたことがありました。
その方に記事をツイートしてもらうよう執筆したら、見事狙いどおりになってニヤニヤしながらその方のツイッターを見ていたのは、いい思い出です。ぐへへ・・・

ただ、別のトークショーに招いた方の名前を間違えたまま投稿したときは、それはそれはくそみそに怒られました。どれだけ怒られれば気がすむのか。

イベントレポートは、私も現場でじかに聴きたいのですが、大体映写業務と重なって、映写室から会場の様子を眺めてました。
しかも向こうの音は一切聞こえないので、「ああ、なんか盛り上がってるなあ・・・」程度のことしか把握できないというお粗末な状態・・・

ちなみに今まで一番いいねを押してもらえた記事は「年末年始営業時間のお知らせ」でした。


マスコミ試写に参加しよう!

映写業務の試写とは別に、配給や宣伝会社が別で試写室を貸しきって作品の上映をしてくれる場合もあります。

先輩に見たい作品の試写をとられても、私にはまだマスコミ試写という奥の手があったのです!

上手くシフトがまわせれば、出勤中に劇場を抜け出し、見に行くこともできました。
マスコミ試写は事前に名簿に名前を記入し、担当者からプレスとアンケート用紙を受け取ります。

作品を見終わったら、感想を書いて提出するという感じです。
クソ真面目な私は、裏面まで感想を書いていたのですが、顔を上げると、なんかどっかの教授っぽい人と2人きりになってました。何事もほどほどに・・・


館内装飾を施そう!


でました。私には苦い思い出しかないこちらの業務内容。
好きな人はそれこそ時間を忘れて没頭できそうな内容です
しかし先に書いたように、私は文章を書くことこそ全く苦にはならないのですが、いかんせん装飾類の仕事は本当にセンスのかけらも無い人間なのです。

そもそも面接のときにお互いの主張がすれ違ってしまった結果、私は向こう2年ほどはこの仕事に精神を磨耗していくのです・・・

劇場装飾はスピードが命。
公開日に余裕を持って装飾を施さなければ、宣伝としての意味が無いのです。
しかし、手先が生まれたての赤ちゃん並に不器用な私はとにかくとろい、そして雑。
幾度と無いダメだしを喰らっては、ダメだしを喰らう毎日でした。
掲載物が傾いている。装飾が地味。場面写真の順番が悪い。印刷物は文字を大きく拡大する。掲載物が傾いているetc

見かねた社員さんが、他の後輩に指示を出して、苦手な部分はやってもらうようにしたらとアドバイスをくれましたが、何を隠そう私は業務上の縦社会が装飾業務の次に苦手でした。
やるなら一人で、誰にも関与されないほうがストレスフリー。
それを自らの意思で打ち破ろうとするなんて、苦行以外の何物でもありません。

結果これも上手くいかないまま、私は劇場を退職する運びになるのでした(実際の理由は訳あって土日休みが欲しかったからなのですが・・・

因みに私は退職後もそこへ映画を見に行くのですが、現在はそれはそれは見事な装飾が施されています・・・


まとめ


劇場と行っても、いろんな仕事があります。向き不向きもあるので、面接のときはきちんと自分に向いている部門があるか確認しましょう。
でないと私のように、寝ても覚めても説教される日がくるかもしれません。。。(大げさ)

でもやっぱり、映画が好きだと、映画館で働くのは楽しいし、なんだか得した気分にもなるので、学生バイトとか是非オススメしたいです。
学生なんだから楽しく働けりゃいんですよ~。

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