2018年1月16日火曜日

カンヌで気になる作品は?



昨年度のカンヌノミネート作が、ぞくぞくと日本公開していく時期になりました。

既に日本で公開している作品は、邦画の『光』と『グッド・タイム』、あと『ロダン カミーユと永遠のアトリエ 』くらいでしょうか(ネトフリいれると『オクジャ』『マイヤーウィッツ家の人々』があるのか・・・)

こんなにカンヌカンヌって言ってるのに、上記で見たのは『グッド・タイム』と『オクジャ』くらいという体たらく・・・

『グッド・タイム』は昨年の個人的ベスト10に入るくらいよかったのですが、他のカンヌ作品があったらどうなったか分かりません。

そんな中で特別気になる作品をまとめました。

『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリット・ディア』


『ロブスター』『籠の中の乙女』の監督、ヨルゴス・ランティモス最新作。
脚本家も同じタッグになっているんで、あのシュールなルール感が健在なのを期待したいです。

不気味な予告に対し、監督がニコール・キッドマンに「これはコメディなんだよ」と説明して、大女優を苦笑させるという、現場もまけず劣らずシュールな様子。

それにしても予告を見ると、あの真っ白なTシャツを着てクソへタなフォークの持ち方でミートスパを食うシーンこそ「4つの悲劇」のうち1つの前触れなのではないかと信じてやみません。あんなシーンゴリゴリの主婦が見たら卒倒しそう。

『ジュピターズ・ムーン』


設定からして非常に引き込まれるにも拘らず、前評判ではビミョーな扱いゆえ、見るのにチャレンジ精神が必要となりそうなこちら。

銃で撃たれたら空中浮遊(正確には重力を操る)ができるようになったという、一週回ってギブ&テイクな能力を手にした難民の主人公と、彼を利用して過去の医療ミスによる借金を手にしようとする医師の話。

ストーリーはともかく、予告のラストにある文字通りの天理がひっくり返っているシーンは圧巻なので、やっぱり映画館で見たいです。
正月早々車酔いして吐きそうになった私は耐えられるのか・・・



この監督は過去作の『ホワイト・ゴッド』しかり、設定の奇抜さが魅力のひとつと想っているし、それを実際にやる奴いないだろ(笑)と考えていたらガチでやってしまうというガッツのある監督だと勝手に思っています。

『ハッピーエンド』


かたや難民が銃撃されて重力を操れるようになったのに、一方別の難民がいるフランス北部の町カレーでは、そんなこと毛ほども気にせず贅沢の限りを尽くしたのびのび生活を送るサイコパス一家がいました。

以下、あらすじ


ヨーロッパの難民問題を背景に、フランス北部の町カレーで暮らす問題を抱えた3世代の家族の姿が描かれる本作。両親の離婚により家族と離れて暮らしていた娘エヴは、父親トマと一緒に暮らすため、祖父ジョルジュたちの住むカレーに呼び寄せられる。(https://natalie.mu/eiga/news/259512
いっつも同じような胸糞な映画を作っては何度かパルムドールを獲得するという稀有な散在ですが、今回は残念ながら逃していしまいます。



因みにどれくらいパルム・ドールを取っているかというと、『ディーパンの闘い』でパルムドールを獲ったジャック・オーディアールが、インタビューで『ハネケ監督が今年映画作らなくてマジ感謝』と発言するほど。

今作は、これまで以上に「不快」な映画をつくったそうです。
これまで散々(ネタバレ子供が犯した殺人の罪を親がもみ消したのに親に擦り付けてブタ箱送りにしたり、一家嬲り殺したり、介護疲れでパートナーを殺したりしてるのに、あまりにもその真っ直ぐな志は逆に尊敬します。たぶん監督が一番サイコ。


『ラブレス』


アレハンドロなんとかイニャリトゥに次ぐ、言いにくい監督こと、アンドレイ・ヅビャんとか。

前作『裁かれるは善人のみ』では、ラストの家屋破壊シーンは、あまりの無慈悲さに開いた口が塞がりませんでした。「あーあ・・・」みたいな。

今作は身勝手な両親が離婚する際、その息子が突如失踪してしまうという話。

本国版を見ると、どうやら主人公の女性とその母はめちゃくちゃ仲が悪い様子。



息子に対しても非常に冷たく接し、(時系列は分かりませんが)、車内でマジ切れして叫ぶ主人公など、罪悪感どころか、失踪して手を煩わせやがってええええ!という雰囲気さえ感じ取れます。

個人的に子供が大人の都合に巻き込まれてしまう映画(『別離』とか)に弱いので、これは絶対みたい・・・



『You Were Never Really Here』


まだ何の詳細もあがっていないカンヌ脚本賞&男優賞を獲った、現代版『タクシー・ドライバー』とか『96時間』をレフン監督『ドライヴ』っぽくしたなど、いろいろな憶測が飛んでいる作品です。



元軍人で、過去のトラウマをもつジョーは、非合法の仕事(主にロリコンのドタマをハンマーで勝ち割り、被害にあった女の子を連れ戻す)をしていましたが、政治家の娘ニナを救うも、その後父親が殺害されまたニナは誘拐され、ジョーも何か大きな陰謀に巻き込まれていき・・・みたいな話だそうです。

とりわけインターナショナル版の予告が最高にクール・・・


上映時間は85分と、ロリコンには厳しくても、観客には優しい様子。

個人的には一番見たいのは『You Were Never Really Here』なので、とにかく日本公開の正式な情報が早く出ることを願うばかりです・・・

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